心臓リハビリテーション
心臓病の患者様や心臓病の手術を受けた患者様が、体力を回復させ、日々の生活に対する自信を取り戻すために行います。なお心臓リハビリテーション(心リハ)は、心臓病の再発予防や動脈硬化を促進させない内容にもなっています。
心臓病に関しては、心臓や血管の悪い部分を治療すれば終わりというわけではありません。人の身体というのは、心臓の悪化に伴って、手足の筋肉、血管、自律神経などの働きもわるくなっています。つまり心臓の手術をして心臓が良くなったとしても、これらの機能を回復させる必要があるのです。それが心臓リハビリテーションです。
運動療法とカウンセリングが中心
その内容については、運動療法とカウンセリング・患者教育があります。運動療法は、身体の運動能力を向上させるために行うものです。これによって、筋肉や骨が鍛えられるほか、心肺機能の改善、狭心症による発作や心不全による症状の軽減等がみられ、QOL(生活の質)も改善されるようになります。
運動療法を開始するにあたっては、運動負荷試験(心電図 等)や血液検査を行っていきます。これによって、適切とされる運動強度などを医師が確認していきます。多くは、息がやや上がるくらいの有酸素運動(歩行、自転車 等)が望ましいとされています。順調に行けば、強度は徐々に上がっていくようになります。
カウンセリング・患者教育に関してですが、患者様もしくはそのご家族様に対して、心臓発作等が起きてしまった際の対処の仕方、再発などのリスクがある動脈硬化等を促進させないための生活習慣の改善案などの指導を医師が行います。また最終的には社会復帰(回復)を目指していくのですが、それまでに至る過程で起きる不安などに関しては、心理カウンセリングを行うなどして和らげるようにします。